2023/04/01
「あおぞら銀行事件」都労委命令についての組合声明
2023年4月1日
全国金融産業労働組合
中央執行委員長 黒田清美
全国金融産業労働組合(略称:金融ユニオン)のHPに掲載しております「あおぞら銀行労務政策是正要求 特設サイト」の「あおぞら銀行事件」令和3年[不]第23号)について、本年3月14日に東京都労働委員会(略称:都労委)から一部救済の命令が出されました。
「あおぞら銀行事件」は2021年3月29日に金融ユニオンが都労委に対し、金融ユニオンに加入した組合員に対する次の3つの不当労働行為の救済申立を行ったものです。
- ①「2020年10月30日付けの出勤停止3日間の反省文付きの懲戒処分」
- ②「2021年4月1日付けの2階級降格処分」
- ③「2021年4月1日付けの一人部屋への配転」
これに対して本年3月14日に交付された都労委の命令は、➀②については懲戒処分と降格処分は組合員が金融ユニオンに加入する前の問題であるとし、労働組合活動とは関係ないとして棄却しました。しかし、③については不当労働行為として認められ、1週間以内の労働組合あての謝罪文を手渡すとともに10日間新聞紙2枚分大きさの紙面に命令提起の謝罪文を行内に掲示すること(いわゆる「ポストノーテイス」)を命じました。
この命令に関しては共同通信が「一人隔離部屋の退職目的の配置転換に対して救済命令出される」の見出しで送信し、東京新聞や中日新聞等地方紙の10社以上で3月15日付けで掲載報道され、外信でもロイターなどでネット記事で掲載されました。こうした結果か銀行では社内会議が開かれたようで、翌日各支店でマスコミ報道を受け顧客からの対応を含めて説明できる通知が職員向けにされたようです。しかし一方で命令された掲示文章は3月30日時点で掲示されていません。
多くの労働者が組合加入前の事件(イジメ・ハラスメントなど)について、一人では解決ができずに、組合に解決への支援を求めて加入をしてきます。今回の命令のように加入前の事案であっても本人が組合に加入して、労働組合として解決に向け会社と交渉をした事案において、労使と真摯な取組みをしない場合は不当労働行為を認定されたことは、金融ユニオンとしては労働者や労働組合にとり大きな共通成果であると思います。その意味で、同様の時系列での事案でありながら一部だけ認められ、その他の部分は棄却されたことを認めることはできません。そこで金融ユニオンは3月21日の中央委員会にて、都労委で棄却された2点について中央労働委員会へ不服申立てを行うことを決定し、3月24日に再審査申立を行いました。
引き続き多くの皆さんのご支援をよろしくお願いします。
以上