あおぞら銀行
公益通報者への不当労働行為

あおぞら銀行労務政策是正要求
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2021/05/27 東京都労働委員会 第1回調査

  • (1)5月27日東京都労働委員会へ申し立てをしたあおぞら銀行の第1回の調査が開催されました。
    当日は組合側から労働委員会へ添付の準備書面を提出しました。
    会議は、労働委員会の公益委員、労働側委員、経営側委員の労働委員会から労働側、経営側が、双方交互に呼び出されてそれぞれ意見聴取がされました。
    組合側に、和解での解決の可能性を照会されましたが、本件事案は、明らかに銀行の不当労働行為であり、和解はあり得ないと主張しました。
  • (2)当日参加者の意見等をを紹介します。
  •  ① 銀行の主張は、懲戒事由については記述しているが、降格事由にした直前の低評価の説明は抽象的な短いコメントしかさ れていない。
    懲戒事由についても半分以上が昇格前の出来事であり、その中には5年前や6年前など前代未聞であったり、長文メールだからと、訳が分からない理由だった。(弁護士)
    当日提出された準備書面については、降格事由も一般的・抽象的な記述だけで裏付ける具体的事実の主張が一切ないことから、それら不当性の訴えに共感の声が出されました。
  •  ② 2段階降格についての運用は、多くの企業で、2年連続で低評価を受けると1段階降格するのに対して、あおぞら銀行は、何らの業務上の注意することなく、銀行にとって気に入らない行為として人事が動き出してから、昇格して1年もたたない間に行われた懲罰的な処分は、行内の評価運用ルールにも違反するのではないか?
  •  ③ 銀行の対応の酷さに参加者の批判が出され、和解をすることなく銀行の間違いを認定要求する組合主張に協賛の声が出されました。
  • (3)次回日程は、7月26日10時半からと決まりました。引き続き参加支援をよろしくお願いします。

準備書面(1)

  • 令和3年(不)第23号
  • 申 立 人 全国金融産業労働組合
  • 被申立人 株式会社あおぞら銀行

準  備  書  面 (1)

2021年5月27日

  • 東京都労働委員会
  • 会長 金 井 康 雄  殿
  • 申立人代理人
  •   弁 護 士  上  条  貞  夫
  •   弁 護 士  金  井  克  仁
  • 被申立人の懲戒処分等の主張は全く理由がない
  • (1)被申立人の主張の概要
     被申立人は、答弁書3頁~13頁において、Iに対する2020年10月30日付懲戒処分(出勤停止)の理由として懲戒事由①~⑩を列記し、縷々主張する。その上でさらに同19頁において、Iに対する2020年度人事評価が最低レベルになったことを理由に、同人を2階級降格(管理職層から非管理職層に降格、10%減給)、配置転換(人事部附)したと述べている。
     しかし、被申立人のこのような主張は全く理由がない。以下、その要点を列記する。
  • (2)懲戒事由①~⑤について
     Iは、2019年7月1日、M7等級に昇格した。
     ところで、被申立人が問題視する①~⑤のIの所為は、いずれも2019年7月のM7等級昇格より以前のことである。すなわち、①は2014年2月の件で5年以上前である。②は2015年3月の件で4年前である。③は2017年10月の件で2年前である。④2019年1月の件、⑤同年6月の件は半年から1ヶ月前である。いずれも2019年7月の昇格を妨げる事由ではなかった。そもそも被申立人は①~⑤を認識しながら、Iを昇格させたのである。
     にもかかわらず被申立人が、それを昇格後わずか1年後の2020年10月の懲戒処分の理由に挙げたことは、不合理きわまる。
  • (3)懲戒事由⑥~⑩について
     懲戒事由⑥⑦は、業務上必要な指示のメール、懲戒事由⑧は、行内のIの席の数メートル先の社員がコロナに感染したため本社の会議にWEB参加した件、懲戒事由⑨は2019年度の人事考課に対する不服のメール、懲戒事由⑩は懲戒処分の根拠となった具体的事実、合理的理由について確認を求めたメールであって、これを殊更に出勤停止処分の理由とすることは、不合理きわまる。
  • (4)降格処分の不合理
     この出勤停止処分の4箇月後(2021.2,24)、被申立人はIに対し、2020年度(2020.4.1~2021.3.31)の人事評価が最低で管理職層から非管理職層に2階級降格(10%減収)となる見込みを告げ、退職を勧奨し、これに応じなかったIに対して、同年4月1日、2階級降格(10%減収)、人事部附き配転を発令した。
     その降格の理由として被申立人が答弁書に述べるところは、さきに出勤停止処分(2020.10.30)の理由として縷々述べた記述(答弁書4頁~13頁)とは全く異なり、FPとしての能力が発揮されていない、独断で動いている、同僚の適切な指導が出来ない、など一般的・抽象的な記述だけで(答弁書18頁)、いつ、いかなる所為が2階級降格(10%減収)の理由とされたのか、裏付ける具体的事実は、一切、主張がない。その引用する考課表(乙52号証)の記載も、評価の結論だけで、いつ、いかなる所為が問題なのかは一言も記述がない。
     Iが2019年7月管理職層のM7等級に昇格した、その年度(2019.4.1~2020.3.31)のIに対する職務評価(目標達成度)は、評価項目毎の自己評価と評価者評価が、全て「4」ないし「3」と一致していた(甲12号証)。
     その評価が、翌年度(2020.4.1~2021.3.31)の評価者評価では一挙に最低の「1」となった理由として、乙52号証には「目標を著しく下回る成果」との記載がある。しかし、翌年度もIは、「目標管理・自己申告の手引き」を熟読し、「好ましい事例」の記載を参考に、具体的かつ明確な目標を設定したにもかかわらず、上司からは抽象的で曖昧な目標に変更され差し戻された。会社は、Iの自己申告の具体的な目標を否定しながら抽象的で曖昧な目標を設定したこととして取扱い、規定上の中間フィードバックや目標達成に向けた面談も行わず、その目標を著しく下回る成果だと称して最低評価の理由とするのは全く理由がない。
  •  2.出勤停止処分は不当労働行為
  •    本件出勤停止処分及び降格処分の本質は、Iが適正なホットライン通報を行ったことに対して、同人の上司ら及び被申立人が適切な対応を行わないばかりか、被申立人から理由のない不利益処分を課せられることを心配した同人が、これを防ぐため申立人労組に加入し、同労組が団体交渉で追及したことに対し、被申立人が報復として行ったことに他ならない。
     この不当労働行為の全貌は、答弁書記載の出勤停止、降格の理由に対する更なる反論とともに、後に提出する準備書面に詳述するところである。

以 上